クローズアップ


地域とともに歩む理研 #01

横浜サイエンスフロンティア高校との教育連携

話し手
横浜サイエンスフロンティア高等学校 サイエンス事務局主任 SSH担当 主幹教諭
植草 透公(うえくさ ゆきまさ)さん

開校以前から始まっていた理研との深い繋がり

本校(YSFH)は、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校、コアSSH採択校でもあります。科学立国日本を支える後進を育てなければならないのに、小中高では「理科離れ」が進んでいるのが現状です。そんな中、横浜市の教育の目玉として先端科学に特化した全く新しいコンセプトの学校を作ろうというときに、理研からは研究顧問の和田昭允先生をはじめ、第一級の研究者の方々にアドバイザリーとなっていただきました。現在は多くの研究機関や大学・企業に科学技術顧問として支えていただいていますが、理研がその筆頭であることは今も変わりません。

横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校の写真横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校

最先端の研究現場に触れることの教育的意義は大きい

通常、高校の理科は解決済みの理論を扱いますが、本校では最先端の科学を通じて生徒の思考力や感性、独創性を養います。隣接する理研の施設を見学し、研究者が夢を持って自らの研究について語ってくれることは、生徒たちの目の輝きを変え、もっと深く学びたい気持ちや、将来は研究者になりたいという目標につながっていきます。またさまざまな国籍の研究者が集うさまを目の当たりにし、サイエンスコミュニティの国際性、コミュニケーション手段としての英語の必要性にも気づきます。理研との教育連携は、本校の生徒たちにとって非常に大きな意味を持っているのです。

理化学研究所内の研究施設を見学するYSFH生徒の様子理化学研究所内の研究施設を見学するYSFH生徒

“人”に感化され、探究心や伝えたい気持ちが生まれる

和田昭允先生は、常任スーパーアドバイザーとして本校で毎週のように「和田サロン」を開いています。話題は毎回変わりますが、サイエンスの考え方や学びとは何かへと発展していきます。教員としても学ぶところが多く、生徒も熱心に聞いています。「私もサロンをしたい」という生徒まで現れました。

また横浜事業所一般公開のボランティアを経験した生徒たちは、科学の楽しさを小中学生に教えたいという思いを持ちます。身近なロールモデルとして若い研究者の皆さんに影響を受けた生徒たちが、今度は小中学生に科学を伝える回路を作る。それも地域の中核拠点であるコアSSHとしての本校がめざすべき方向のひとつなのではないでしょうか。

サンモール・インターナショナルスクールとの合同プログラムの様子サンモール・インターナショナルスクールとの
合同プログラムの様子


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