[開催レポート]
理研よこはまサイエンスカフェ「遺伝子研究がつくる未来の予防医療」

日時
2015年1月17日(土)14:00~16:00
講師
田中 有希(ライフサイエンス技術基盤研究センター オミックス応用技術研究グループ 核酸診断技術開発ユニット 研究員)
会場
横浜市中央図書館

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2015年1月17日(土)、理研よこはまサイエンスカフェ「遺伝子研究がつくる未来の予防医療」を横浜市中央図書館にて開催しました。

まず、サイエンスカフェの冒頭では、セントラルドグマと呼ばれるDNAからタンパク質がつくられるまでの過程など、遺伝子の基礎知識を解説しました。その後、ヒトのゲノムの全塩基配列を解読した「ヒトゲノム計画」や、人種ごとに遺伝子変異のパターンを集積した「国際HapMap計画」など、世界で行われてきた遺伝子研究の歴史が紹介されました。
こうした歴史を経て、現在は、遺伝子と病気・体質の関係が解明されてきており、特定の分子に作用して治療する分子標的薬などの治療法や、薬の効きやすさを投与前に検査するコンパニオン診断などの新たな診断技術が実用化されているそうです。
田中研究員も、医療現場でより簡単に使用できる診断キットの開発を進めており、こうした新たな技術が医療現場で今後使われて行くことで、論理的な診断を行うことや、一人ひとりにあった治療がもっと可能になっていくのではないかと今後の期待を語りました。

参加者からのコメント

後半の質疑応答では参加者から「目や髪の毛など身体には様々な部位があるのに、設計図となるDNAは1つですべてを作り出すことができるのでしょうか。」「人間は癌を克服できる日がくるのでしょうか。」「分子標的薬のデメリットはどのようなものでしょうか。」などの質問がなされました。
「田中先生は具体的にはどんな研究をしているのですか。」という質問があり、田中研究員はこれに対し、「インフルエンザの診断キットの開発を行っており、将来的に病院でより簡単に検査ができるよう、実際の医療現場でもテストを行い、改良を進めています。」と答え、実用化に向けた開発を進めていることが紹介されました。

サイエンスカフェ終了後には、横浜市中央図書館内で開催中の展示「遺伝子研究から医療現場へ」へ移動し、田中研究員による特別解説ツアーも実施しました。ご参加頂いた皆様、どうもありがとうございました。


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